単コヒーレント長レーザを用いて内部に光路差をつける機能を利用し、干渉計測を行う参照面と被験面との光学距離を指定することで、光路上にある他の面との干渉縞を無視できるFizeau型干渉計です。
光路差調整機能(Pathmatch system)は0~500mmタイプと0~2000mmタイプの2種類があり、またその『光路差を調整するユニット』は干渉計本体とは別筐体になっているため、小型軽量の干渉計本体を自由な位置・向き・姿勢で使用することができ、様々な目的にご使用頂けます。
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被験面選択可能Fizeauタイプレーザ干渉計AccuFiz-D
特長
短コヒーレント長レーザ光源を用い、内部にユーザが調整可能な光路差を付けることで、その光路差と合致する光学距離を持つ2つの面のみの干渉計測ができるFizeau型干渉計です。
中間に計測したくない光学系が挿入されていてもそれらを無視して計測したり(※1)、または積極的に中間光学系の透過波面の評価を行ったり、膜厚/板厚の計測を行ったりなど、様々な「今までは困難であった計測の実現」や、「大きな苦労・工夫が必要だった計測の簡易化」などのご期待に答えられます。
市販の一般的な透過参照平面(T-Flat)や透過参照球面(T-Sphere)がそのまま使用できるBayonetマウントですので、一般的なFizeau干渉計をお持ちの場合でも流用ができます。
※1:干渉縞として計測を邪魔することはありませんが、透過波面の影響は残存しますのでご注意ください
主な用途
- 真空槽や与圧槽、恒温槽などの内部に設置された光学系を、外部の常温常圧環境に設置した干渉計で安定的に計測することが可能 (※左図のような、恒温槽などを含めた全体ソリューションとしての提案も可能ですので、お気軽にご相談ください)
- 望遠鏡や顕微鏡、複雑なズームレンズのような、組レンズやミラー群で構成された透過波面の評価に
- 既知・未知を問わず、レンズやミラーなど光学製品ののROC(Radius of Curvature、曲率半径)の計測に
- 最短0.1mmの隔たりがあれば被験面を識別することが可能なので、精密な板厚/膜厚の計測や評価に (※なお正確に計測するためにはその硝材の屈折率が既知である必要があります)
左:計測したい面の干渉縞に加えて透明板の表裏の干渉まで重畳している
右:短コヒーレント長レーザとSISに依り、透明板表裏の干渉を消し、計測したい面と参照面との干渉縞だけが観察できる
計測原理
PhaseMask式DPSIを用いた瞬時撮像による悪環境影響の低減
- 他の方式では・・・
- 最もシンプルなFizeau干渉法で得られる干渉縞の情報は、高さ指標の無い等高線地図とおなじように、干渉縞の濃淡の違いで高さが異なることは判別できるが、その高さ/傾きの方向がどちらであるかを単独では判別できないため、一般的なFizeau干渉計では透過参照面を光軸に対し前後に微動させることで干渉縞の位相を”スキャン”し、それに依って高低/凹凸/傾きの方向を判別している。
- 但しその場合、nmあるいはÅレベルの高低差を計測する装置構成であるのに、全体の系に振動なり中間空気流動なりのμm~mmレベル(場合によってはcmレベル)の光路長変動要因が”スキャン”中に発生すると不連続かつ不十分な情報しか得られず、そもそも計測が不能であるケースが発生するため、除震などの周囲環境の影響を低減する工夫をしなければならない。
- この方式を、時間的な”スキャン”を必要とする位相シフトを行っているため、TPSI(Temporal Phase Shift Interferometry、時間的位相シフト干渉法)と呼ぶ。
- AccuFiz-Dの場合・・・
- 撮像カメラの画素ごとに90゚ごと異なる4つの偏光子(PhaseMask)を取り付けた特殊なカメラを用意し、どの瞬間でも4位相を同時に計測できるようにすることによって位相情報から高さ/凹凸/傾きの方向まで瞬時に読み取ることを可能にしたPhaseMask式DPSI(Dynamic Phase Shift Interferometry、ダイナミック/動的位相シフト干渉法)を採用し、振動や空気流動などの悪環境下でも『たった1枚でも良い状態の撮像』が得られれば計測できる機能を備えた(※2)。
※2:常にどんな環境でも計測可能であることを保証するものではありません 振動などが大きすぎる際には計測不能となるケースもあり得ます
多重干渉の排除ができるSIS(Surface Isolation System、被験面選択機能)
- 偏光状態の異なる光同士は干渉しないということを利用して、短コヒーレント長レーザ光源を偏光状態と光路長の異なる2光路に分割し、その2光路同士の光路差が計測したい対象同士の光路差と合致するような構造を持たせた外部ユニットを追加することで、設定した光学距離にある2面以外とは干渉しない干渉計測を実現した(詳しくは下のgif動画を御覧ください)。
- このSIS機能は、光路長調整範囲が0~500mmと0~2000mmの2タイプがあり、ニーズに合わせた装置選定が可能。
注目トピックス
宇宙の目ジェイムス・ウェッブ宇宙望遠鏡への協力
2021年12月25日、長年宇宙に漂い鮮明なデータを送信し続けてくれたハッブル宇宙望遠鏡の後継であるジェイムス・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope/JWST)が打ち上げられました。
そして2022年7月13日(日本時間)、ファーストライトの結果が公表され、世界中でより鮮明で高精細な外宇宙の画像に驚愕の声が上がりました。
https://www.nasa.gov/webbfirstimages
実は弊社の扱うこの4D Technology社の干渉計は、このJWSTになんと10台以上も採用され、各個別のセグメントミラーの評価から大口径の凸面を持つ副鏡の評価、また全体の光学特性の評価などに用いられ、このプロジェクトの縁の下の力持ち的な役割を担ったのです。
このAccuFiz-Dの持つSurface Isolation Source機能を搭載していた一世代前の干渉計は、副鏡の製作加工時から運用され、評価が困難な大口径の凸面の評価を容易にし、この素晴らしい光学性能を与えるに至りました。