アイ・アール・システムの赤外コラム 第1回
ガラスNG!? 非接触温度測定用の窓って?要注意ポイントも解説 後編
1 前編のまとめ
2 Ge窓の弱点とは
3 高温の対策について
4 まとめ
技術情報TECHNICAL INFORMATION
ガラスNG!? 非接触温度測定用の窓って?要注意ポイントも解説 後編
1 前編のまとめ
注意
このページは後編です。前編はこちら。
今回は、赤外線透過窓として人気のGeの弱点と対策について解説します。
前編のまとめは以下の通りです。
☆非接触温度測定には主に8~14㎛の遠赤外線が使用される
☆遠赤外線を透過しないガラスや石英の窓はNG
☆諸特性に優れたGe窓がよく選ばれる
☆Geは弱点が存在する
では、そのGeの弱点とは一体何でしょうか。
2 Ge窓の弱点とは
それは高温で使用できないことです。
高温物体のような容易に触れられない対象の温度測定が可能というのは
非接触温度測定の大きいメリットの1つです。
そのため、容器や炉が高温に加熱されることも決して珍しくありません。
ですが、Geの透過率は温度の上昇と共に低下してしまうため高温での使用が難しいのです。
高温環境で非接触温度測定を行いたい場合、どのような手段があるでしょうか。
3 高温の対策について
Ge窓の温度が数十~100℃を超えるような場合、取れる対策は大きく分けて2つです。
1つは、空冷・水冷機構を用意すること。
適切な冷却で加熱を抑えられる場合はGeを使用することができます。
ただし、空間的な制約や冷却能力の限界が障壁になるケースもあります。
もう1つは、Ge以外の窓材を使用することです。
Ge以外にも赤外線の透過材料は多数存在し、その中には優れた耐熱性を持つものもあります。
しかし、耐熱性以外のデメリットがある場合もあるためどれを選んでもいい、というわけではありません。
各材料の特性を熟知した上で使用環境・条件に最適なものを選ぶことが、最も重要なことです。
4 まとめ
☆Geは高熱が弱点
☆対策として冷却するか他の窓材を使用する
☆各材料の特性を知ることが大事
「そんなこと言われても、赤外線透過窓の情報なんて簡単に手に入らないよ」という方もご安心ください。
こちらのページで、諸特性をまとめて確認できます!
最適な窓材探しに、是非ご活用ください。
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関連項目
ガラスNG!? 非接触温度測定用の窓って?要注意ポイントも解説 前編
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