アイ・アール・システムの赤外コラム 番外編
265nm 280nm 365nm UV-LEDの強度測定にあたって注意すべきこと
1 UV-LEDの測定に関して
2 UV照度計の落とし穴
3 UV照度計の正しい仕様選定
4 正しいUV照度計のご提案
5 FAQ
技術情報TECHNICAL INFORMATION
265nm 280nm 365nm UV-LEDの強度測定にあたって注意すべきこと
1 UV-LEDの測定に関して
除菌、硬化、露光、表面改質、洗浄…
様々な用途でUV技術への関心が高まる昨今。
最近では環境への配慮などの理由から
多くの企業がUV-LEDを採用した製品を発売しており、
今後もUV-LED市場の更なる成長が予測されています。
これらの用途では適切な強度のUVを照射しなければ
装置としての本来のパフォーマンスを発揮できないことも多く、
「UV照度計などの測定器を使用して光量を確認している」
というメーカーやユーザーの方は多く存在します。
しかし、
全てのUV照度計がUV-LEDの測定に対応しているわけではないため、
正確な測定のためには測定器選びの段階から注意が必要です。
ここでは、そんなUV-LEDを採用した装置のメーカー様やユーザー様へ向けて
正しい照度計の選定についてご説明します。
2 UV照度計の落とし穴
UV照射量の数値化に使用されるUV照度計は、
今は通販などで簡単に購入することができます。
しかし、
【1台の照度計が正確に測定できるのは、限られた一部の光源のみ】
ということは意外と知られていません。
これを知らずに不適切な照度計を使用すると
誤った測定データを元に製品を製造・販売または使用することになり、
装置の性能に深刻な支障をきたすことにも繋がります。
安心・安全なUV-LED搭載装置をユーザーに届けるためには、
それぞれのUV-LEDに最適な照度計を使用することが肝心です。
3 UV照度計の正しい仕様選定
照度計が測定対象のUV-LEDに最適かどうかを判断する材料は、大きく分けて以下の3点です。
☆ 測定波長帯
☆ 測定照度レンジ
☆ 較正波長 (光源のピーク波長)
それぞれ、OK例/NG例と共に解説します。
1つでもNG例に当てはまっていた場合、その照度計は不適切です。
【測定波長帯】
「UV-LEDの波長と照度計の測定波長帯が合っているかどうか」です。
OK例
・265nmにピークがあるUV-LEDを測定する場合に、
220~300nmに感度を持つ照度計を使う
NG例
・265nmにピークがあるUV-LEDを測定する場合に、
300~400nmにしか感度がない照度計を使う
【測定照度レンジ】
「《測定したい照度》が《照度計の照度レンジ》と合っているかどうか」です。
見落とされるケースが多いため、注意が必要です。
OK例
・測定したい照度が100mW/cm2の場合に、
測定レンジが1~1000mW/cm2の照度計を使う
NG例
・測定したい照度が100mW/cm2の場合に、
測定レンジが0.01~10mW/cm2の照度計を使う
→検出上限を上回るため表示値は10mW/cm2となり、実際の照度と異なる
・実際の照度が10μW/cm2の場合に、
測定レンジが100~10000μW/cm2の照度計を使う
→検出下限を下回るため表示値は0mW/cm2となり、実際の照度と異なる
【較正波長】
「照度計が測定対象のUV-LEDに対して最適化されているかどうか」です。
意識的に確認しないと見落としがちなパラメータです。
較正波長を明確にしていない照度計も存在するため、注意が必要です。
OK例
・265nmにピークがあるUV-LEDを測定する場合に、
265nmにピークがあるUV-LEDで較正された照度計を使う
NG例
・265nmにピークがあるUV-LEDを測定する場合に、
254nmにピークがある低圧水銀ランプで較正された照度計を使う
・265nmにピークがあるUV-LEDを測定したいという場合に、
280nmにピークがあるUV-LEDで較正された照度計を使う
4 正しいUV照度計のご提案
「そうは言っても理想的な照度計を探すのが難しい」
「通販で見つけた格安製品は仕様が曖昧で信用できない」
そんな方にオススメしたいのが、
セミオーダーメイド方式を採用したsglux社製 UV放射照度計です。
このUV照度計は
☆ 測定波長帯
☆ 測定照度レンジ
☆ 較正波長 (光源のピーク波長)
を全てお客様のご希望に合わせて選択可能になっています。
つまり、「既存の照度計から最適なものを探す」のではなく
「用途に合わせて最適な照度計を作り出す」ことが可能です。
具体的なラインナップはコチラの製品ページにてご確認ください。
222nm、254nm、265nm、280nm、365nmなどに対応している他、
nW/cm2オーダーからW/cm2オーダーまで幅広いレンジにも対応しています。
5 FAQ
Q1. 「セミオーダーメイド」は高価なのでは?
A1. ハンディ照度計は税込20万円を下回る価格で、
測定器としては大変お求めやすくなっております。
Q2. 「セミオーダーメイド」は長納期なのでは?
A2. 通常納期は4週間程度ですが、お急ぎの場合は別途協議させていただきます。
Q3. 国内導入実績は?
A3. 電機メーカー様やUV-LEDメーカー様などに多数ご採用いただいております。
Q4. 維持費(ランニングコスト)は?
A4. 製品に消耗品は含まれておりませんので、基本的には不要です。
ただし、再較正は有償での対応となります。
具体的な費用に関しましては、担当者までお問い合わせください。
【お問い合わせは以下から】
お問い合わせページ → リンク
お電話 → 042-400-0373
メール → office@irsystem.com
株式会社アイ・アール・システム 営業2部